企業で GPTs(ChatGPTのカスタムGPT) や Gems(Geminiのカスタム“Gem”) の研修について
ポイントは「①環境(契約・管理)を整える → ②社内ルールを決める → ③業務ユースケースに直結するハンズオンをする → ④定着運用まで面倒を見る」です。
1) まず「会社として使える環境」を用意する(ここが最重要)
ChatGPT(GPTs)側
- 会社利用なら、ChatGPT Business / Team / Enterprise のような「ワークスペース型」を前提にすると管理が楽です。
- 例:ワークスペース管理(ユーザー管理、SSO、権限)や、社内でGPTsを共有できることが明記されています。 (ChatGPT)
- Businessは“ワークスペースのデータは学習に使わない”旨がFAQで明記されています。 (OpenAI Help Center)
Gemini(Gems)側
- 会社利用なら、Google Workspace + Gemini ライセンスの前提で設計するのが安全です。
- 「組織内に留まる」「他社のために使われない」「(許可なく)ドメイン外の学習に使われない」といったデータ保護が整理されています。 (Googleヘルプ)
ここを曖昧にして「個人アカウントで受講→そのまま社内利用」にすると、権限・共有・監査・情報持ち出しの事故が起きやすいです。
2) 研修前に決める「最低限の社内ルール」(30分で決められる版)
研修の冒頭でこの4点だけ合意すると、現場が安心して使えます。
- 入力禁止情報:個人情報、取引先の機密、契約書原本、未公開の財務、顧客名簿など
- 出力の扱い:生成物は「下書き」。最終判断は人、根拠確認必須
- 共有の基準:GPTs/Gemsに入れる“社内知識”の範囲(公開OK/部署限定/管理者のみ)
- 責任分界:誤回答での事故を防ぐチェックフロー(例:法務・労務・会計は必ずレビュー)
※OpenAI側は、ワークスペースの管理者がGPT共有や外部GPTアクセス、Actionの接続先ドメイン等を制御できる旨が書かれています。 (OpenAI Help Center)
3) 研修設計(おすすめの型:2時間〜半日)
A. 全社員向け(2時間)—「使い方を揃える」研修
- 生成AIの基本(得意/不得意)
- セキュリティ・禁止入力(上の4ルール)
- 仕事で効く“型”だけ教える(例:要約、メール下書き、議事録整形、企画の叩き台)
- 同じ題材で演習(部署別に1テーマ)
B. 推進担当・管理職向け(半日)—「仕組み化」研修
- 業務棚卸し → AI適用(どこからやるか)
- KPI設計(削減時間、品質、リードタイム)
- ガバナンス(共有・承認・版管理)
- パイロット運用の作り方(後述)
C. “作る人”向け(半日〜1日)— GPTs/Gemsの内製ハンズオン
- GPTs:指示+知識+機能を組み合わせて作れる(公式ヘルプで説明) (OpenAI Help Center)
- Gems:繰り返し作業や特定領域の支援に向けた「カスタム版Gemini」(公式ヘルプで定義) (Googleヘルプ)
- 共有方法(社内で配る、更新する、権限を分ける)
- GPTsはワークスペース内共有が可能。 (OpenAI Help Center)
- Gemsも作成手順が明示されています(Explore Gems → New Gem など)。 (Googleヘルプ)
4) 研修で作ると効果が出やすい “社内用GPTs/Gems” の例(そのまま題材にできます)
- 営業メール作成(会社のトーン、NG表現、業界用語を固定)
- 議事録→要点+ToDo(フォーマット統一)
- 社内規程Q&A(総務・経理の一次回答を標準化)
- 提案書の骨子生成(背景→課題→施策→体制→費用→効果 の型)
- FAQボット(部署別)(問い合わせ削減)
5) 研修後に“定着”させる運用(ここまでやると成果が出ます)
- 2週間のパイロット:対象部署を1つ、業務を1〜2個に絞る
- 毎週15分の振り返り:困りごと・良いプロンプト共有
- プロンプト/GPT/Gemの“社内ライブラリ化”:ベストプラクティスを蓄積
- 月1で更新:ルール、テンプレ、ユースケースを改善
すぐ始めるための「最短手順」(今日決めることだけ)
- ① 研修対象(部署)と目的(例:メール時間を半減)
- ② 利用環境:ChatGPTはBusiness/Team/Enterprise等、GeminiはWorkspace+Geminiライセンスのどちらで進めるか
- ③ 社内ルール(禁止入力、出力は下書き、共有基準、責任分界)
- ④ 研修は「講義3割:演習7割」で、社内の実案件を題材にする
もし「研修メニュー」をあなたの営業提案に使うなら、
- 2時間:全社員基礎
- 半日:推進担当+内製(GPTs/Gems作成)
- 2週間:伴走パイロット(KPI付き)
の3点セットが一番売りやすいです。
必要なら、あなたの想定業種(例:建設、製造、士業、医療、ECなど)に合わせて、**研修カリキュラム(台本・スライド構成・演習課題・社内ルール雛形)**をそのまま使える形で作ります。
企業向けに「GPTs/Gem(Gemini)」を含む **AIセミナー(=従業員向け研修)**を行う場合、制度上はだいたい次のどれかに整理されます。
1) 研修そのものを助成してほしい(セミナー費用+受講中賃金)
この場合は、基本的に **厚労省の「人材開発支援助成金」**の範囲に入ります。
人材開発支援助成金は、事業主が労働者に職業訓練を実施した際に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。 (厚生労働省)
よく該当しやすいコース
- 事業展開等リスキリング支援コース
新規事業・DX推進等に伴い必要な知識・技能を習得させる訓練が対象。
例としてリーフレットでは、中小企業:経費助成率75%/賃金助成 1人1時間あたり1,000円(大企業は別率)等が示されています。 (厚生労働省) - 人への投資促進コース
デジタル人材・高度人材の育成訓練、定額制訓練(サブスク型)等を実施した場合に助成、という位置づけです。 (厚生労働省)
※eラーニング等では賃金助成が出ないケースがある旨もパンフに記載があります。 (厚生労働省) - 人材育成支援コース
10時間以上のOFF-JT等、幅広い訓練が対象になるコースとして整理されています(詳細はパンフ)。 (厚生労働省)
👉 結論:「AIセミナー(研修)」と呼ぶものは、多くが **人材開発支援助成金(どのコースかは研修内容と要件次第)**に当たります。 (厚生労働省)
2) AIツール導入が主で、その“導入研修”も一緒にやりたい
この場合は、**IT導入補助金(通常枠)**の「役務」にある 導入研修が該当し得ます。
公式ページ上、通常枠の補助対象として「導入設定・マニュアル設定・導入研修」等の役務が明記されています。 (IT導入補助金2025)
👉 注意:これは「研修単体」ではなく、登録されたITツール導入と一体の導入支援としての研修、という扱いになります。 (IT導入補助金2025)
どれに当たるかの超速判定
- 研修(セミナー)費用そのもの/受講中の賃金も助成したい
→ 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング/人への投資促進/人材育成など) (厚生労働省) - AIツール導入がメインで、導入研修は付随
→ IT導入補助金(通常枠)の役務:導入研修 (IT導入補助金2025)